白衣の洗濯、これで解決!ナオシチ直伝、洗濯のコツ。

布袍や黒衣、色衣の襟元や袖口からちらっと見える白い生地……白衣は一部分しか露出しないものの、その存在感は意外と大きいもの。そして、白であるがゆえに汚れは目立ってしまいますよね。そこで、今回は白衣の洗濯にフォーカスして、にいろいろとお尋ねしていきたいと思います。

よくある白衣の洗濯のお悩みとは?

ーーそもそも、白衣の洗濯ではどういった悩みが多いですか?

ナオシチ:多いのは、襟汚れの落とし方と、糸がよくほつれてしまう、というご相談ですね。いずれも見栄えが悪くなってしまうので、正しい洗濯方法できれいに保っていたいですよね。

ーーまず、襟汚れの落とし方について教えてください。

襟汚れは「ウタマロ」といった石鹸か中性洗剤とブラシでやさしく磨いて、その後、洗濯機をかけていくと汚れは一応落ちます。この際、生地と生地を擦るのは絶対にNGで、生地が傷んでしまいます。

他には、30~40度のぬるま湯と中性洗剤を混ぜた液体に30分から1時間ぐらい浸けて、その後洗濯機にいれる方法もありますが、あまり知られていないようです。

ーー糸のほつれはどうやって防ぐのでしょうか?

糸のほつれを抑えるには、洗濯機で白衣を洗濯する際、洗濯ネットに入れることですね。洗濯ネットに入れていただかないと、中で他の衣服等に引っ張られて糸がほつれてしまいます。なので、白衣の洗濯に洗濯ネットはマストアイテムといえますね。また、ナオシチのECサイトでは、白衣や法衣用の洗濯ネットを販売しています。 https://naoshichi-kyoto.com/products/houi-cleaning-sentakunet

洗濯ネットに白衣を置き、袖畳みでパタパタと折っていくだけでOK。洗濯機のモードは手洗いや弱コースがおすすめですね。

ーー他に、白衣の洗濯で気をつけることはありますか?

洗濯を終えて、白衣を干す際にも、注意が必要です。

着物用ハンガー(衣桁)や、バスタオル用の幅広いハンガーに掛け、風通しのよい日陰で干すことをおすすめします。ただし、綿などの素材は、日に当たり続けると生地が硬くなってしまう場合があるので、ご注意ください。

ーーシワ伸ばしのコツはありますか?

ナオシチ:洗濯機での脱水はしすぎず、まだ濡れているうちに白衣全体を手で引っ張ったり、手のひら全体で叩きシワを伸ばしておくと、あとのアイロンが楽になります。

シワを伸ばした後は、風通しの良い日陰で干しましょう。白衣は色落ちの心配がないため日当たりの良い場所でも大丈夫です。ただ、綿などの素材を使用しているため日に当たり続けると白衣が硬くなってしまう場合があります。

ーー乾燥機を使用しても大丈夫ですか?

生地が縮んだり傷んだりする可能性もあるため、乾燥機の使用は避けた方が無難です。法務が控えているなど急ぎの場合はやむを得ませんが、できればハンガーに掛けゆっくり干すことをオススメします。その意味でも、洗い替えを複数枚、用意しておくと安心ですよね。

<注意>なお、この方法はあくまで、綿や化繊などの白衣の洗濯方法であり、正絹などの白衣をご自宅で洗濯することはオススメしません。正絹は専門のクリーニング店などに出すか、法衣店のナオシチまでご相談ください。
法衣店に出していただくメリットは、洗濯ついでに糸ほつれや生地やぶれなどの修繕もできることです。大切な法衣袈裟を末永くご使用いただくために、夏冬それぞれ年一回の定期メンテナンスとして、車の車検感覚でお預けいただけるとありがたいです。

白衣の洗濯あれこれ

襟の汗

襟部分の黄ばみ汚れは、着用しているうちに皮脂が付き、酸化することで発生します。市販の襟汚れ用洗剤を、古い歯ブラシなどに付け、気になる汚れ部分をやさしく擦ります。ある程度汚れが落ちたら、いつも通り洗濯機で洗いましょう。

汗汚れを放置すると、酸化し黄ばみの原因にもなります。とくに夏場などの汗をかきやすい季節には、こまめな手入れが必要です。

汗汚れが気になった場合は、ぬるま湯に洗剤を入れ、様子を見ながら1時間ほど浸け置きしましょう。シャンプーやクレンジングオイルなど、皮脂油を分解するものでも代用可能です。

蝋燭の油

食器用洗剤など、油汚れを落とす成分配合のもので、蝋燭の油を溶かします。洗剤を古い歯ブラシなどにつけ、やさしく擦り、汚れを浮かして落とします。

また、蝋燭が付着した部分にペーパータオルを乗せ、その上からアイロンを前後に優しく動かして吸い取りましょう。

他にも、熱湯に重曹を小さじ5杯入れ、1分ほど浸し、蝋燭の油と中和させて落とす方法もあります。

いずれの方法も、生地の様子を見ながら、ゆっくり注意して行ってください。

食べ物のシミ

シミ部分を水で軽く濡らし、中性洗剤を数滴垂らします。古い歯ブラシでやさしく擦ったあと、漂白剤をシミ部分に付け、洗濯機で洗います。(漂白剤の使用上の注意を、必ずご確認ください)

インク

油性インクの汚れには、エタノールや除光液を使います。汚れた部分に吹きかけ、不要な布やティッシュなどで生地を挟み、汚れをうつし取るイメージで、やさしく叩きながら落とします。

洗濯する30〜60分ほど前に、40度以下のお湯に浸けて色落ちする可能性もあるため、事前に服の目立たない場所で繊維に変化が生じないかを確認しましょう。

水性インクの汚れは、洗剤や漂白剤を使います。油性インクと同様、叩きながら落とします。インクの種類により落とし方が異なるため、十分注意しましょう。

色移りや色落ち

黒や紺など色の濃い衣類と一緒に洗うと、色移りの可能性があります。また、除光液や漂白剤の使用も色落ちの可能性があるため、衣の目立たない部分でまず試すことをオススメします。

白衣にオススメの洗剤は?

衣類を白くしたい場合は「蛍光増白剤」、汚れを落としたい場合は「漂白剤」がオススメです。

ただし、蛍光増白剤の入った「ウタマロせっけん」などは、アレルギー持ちの方や、小さなお子様の健康を損なう可能性があるため、注意が必要です。

その点では「トップ」など、蛍光剤を使用していない中性洗剤がオススメです。

また、「次亜塩素酸水」 は酸化漂白剤や還元漂白剤に比べ繊維を傷めず、肌と同じ弱酸性なので害は少ないですが、目などに入らないよう、注意が必要です。